コラムコラム

資本主義社会を賢く生き抜くには?

2021.10.07

岸田内閣が誕生しました。フレッシュ感はあり、言葉の歯切れもなかなか良いと思いますが、これからどうなっていくでしょうか?政治の世界で「言行一致」をする難しさは、歴代の総理を見ていてもよく分かります。

 

岸田総理がよく言う「成長と配分の好循環」。その通りなのですが、法人税や所得税の累進課税税率を上げたり、企業の内部留保にメスを入れるだけでは、今あるパイの再配分だけです。「新しい日本型の資本主義」という耳障りの良いものがどんなものなのか、刮目して見なければなりません。

 

資本主義社会の中では、強者と弱者が生まれるのは仕方の無いことですが、政治がどういう方針で、どんな役割を担っていくのか、そこが重要です。

 

資本主義社会では、資本家と労働者という構図があるのが紛れもない事実です。一部の資本家に多くの富が集中もしています。日本は階級社会(日本版カースト)に変容しているといった声も聞きます。

 

「だから何?」

 

という突き放した見方も必要です。

 

 

労働者を守る法整備が進んで、経営者も以前よりは余剰価値という甘い汁を吸えなくなっています。また、ネット社会では個人を商品として価値化しやすくなっていることを踏まえると、労働者も自分の余剰価値(マルクス)を会社以外の場所に還元することで。規模は小さいですが資本家サイドにまわることも出来ると思います。その根っ子には、人生のゴールと自分の価値(感)を見極めていくことがあるのではないでしょうか?

 

*

 

話変わって・・・

 

先週、クライアントの一人(Aさん)と半年間にわたるコーチング契約が終了しました。Aさんは一部上場企業に勤めていて、周りから見れば羨ましがられるほどのキャリアを持っていました。

 

しかし当の本人は自信がなく、キャリアの方向性が決まらずに悶々としていました。

 

自己対話を繰り返し行い、今まで目をそらしてきたことと向き合うことで大きく成長できたと感じていたようです。

 

  • 自分の個性や強みを棚卸
  • 人間関係、健康、お金、環境、キャリア、生きがいなどの優先順位付け
  • 目指すべきリーダーシップ

 

こんなことを自己洞察してきました。

 

 

また、苦手分野と考えていた構想力や表現力もアウトプットを出す取り組みを継続したことで見違えるほどの変化が見られました。でも、実はここから本当の自己洞察が始まるとAさんに伝えました。

 

よく、「本当の自分」とか「自分らしさ」とかいう言葉を巧みに使う人がいます。それでビジネスを成功させている人もいます。なぜ、似たり寄ったりの自己啓発セミナーや本が売れていると思いますか?ひと昔前にそんなものに飛びついていた私は、その理由がよく分かります。

 

言葉によって世界は色付けされているのだということが分からない人は、コンサル向けのコンサル、コーチ向けのコーチなどにお金を払います。自分も強者になろうとしている人たちは、実は真の強者にとってのありがたいお客さまになっているわけですが、それはまさに食物連鎖のピラミッドと同じなのです。

資本主義社会とは、そういうものです。

 

そんな自己啓発ビジネスの餌食にされている人を見ると、

 

「とても残念」
「仕方がない」

 

という気持ちと、

 

「ピラミッドの上に行くことはできる」
「できることなら応援をしたい」

 

という気持ちが出てきます。

 

自己洞察は、自分だけを見ていてはうまくいきません。今ある状況を変えようと思えば、自分自身が変わるだけでは何も変わらないと言っていいでしょう。

 

*

 

私たちは、関係性の中で生きています。

 

社会や組織の中で自分を生かそうと思えば、自分だけでなく、その関係性にもテコを入れる必要があります。

 

あなたは、自分が所属する組織や社会をどんな風に見ていますか?
どんな関係性が今のあなたを形作ると考えていますか?

その関係性を変えるために、今から何をしていきますか?

 

 

冒頭の資本主義社会の構造の話ではないですが、自己を洞察するということは、社会の構造に抗いながら、抜け道をつくっていくようなものだと思います。

 

そのために、リーダーシップマインド、経営者感覚が必要になるのです。いっしょに、資本主義社会を賢く生き抜いていきましょう。

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -