コラムコラム

なぜリーダーにはアート思考が必要なのか?

2021.11.18

芸術の秋ですね。

 

アートと言えば、絵画、写真、バレエ、音楽などを思うかもしれませんが、もう少し広い視点に立てば、

 

「会社もアート」
「仕事もアート」
「人生もアート」

 

になると思います。

 

 

ちょっと前に、山口周氏の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』という本がちょっとしたブームになりました。「会社を作品」と考えて、物事を深く観察することで美意識を鍛えることが、今までに無い発想や豊かな世界観づくりに通じるといった内容だったと思います。

 

 

最近はビジネスにもアート思考なるものを取り入れようといった流れもあったり、経営者がアートを収集するのも、ロジカルな世界だけではうまく行かないことの現れなのでしょう。数字や言葉だけで説明できてしまうものでは、お客を感動させることが難しいのだと思います。

 

ロジカルに順序立てて正解を探すことは、「目的」や「ゴール」に合わせに行くことにもなるので、創造性やファジーな要素が排除されやすいと感じています。大切なことは、「ロジカルとマジカル」のバランスです。

 

*

 

あなたが、「美しい」とか思うものは何でしょう?

 

  • バルミューダのトースター
  • アップルのスマートフォン
  • 野原に咲く花
  • 大谷選手のホームランの軌道
  • 瀬戸内寂聴さんの生き方

 

いろんな解釈があると思います。

 

 

アートの本質は何かと言えば、私は「モヤっと」だと思います。

 

何かよく分からないけど、心が震える何かを感じ取ること。それは「好き」とか「面白い」とか「楽しい」なのか。アーティストと思える人を思い浮かべると、イチローさん、将棋の羽生さん、メジャーリーガーの大谷さんなどが浮かびましたが、彼らに共通しているのは、自分の世界観・哲学を探究しながら、結果を出している人です。

 

 

また、同じモノを見ても、それをアートと考えるかどうかは、それぞれのハートの状態によって変わります。Heartの中に”Art”が入っていることに、最近気づきました。そう考えると、アートとは作り手と受け手の共同作業とも言えそうです。

 

会社で言えば、経営者と社員、社員とお客との共同作業で良い「作品」をつくっていく必要があります。

 

*

 

 

この世の中は言葉で出来ています。
ビジネスをする上では言葉無くしてはなにも始まりません。

 

出版社は、「本」という言葉が無ければ存在しません。
Jリーグのチームは、「サッカー」という言葉が無ければ存在しません。

 

その言葉が情報として、私たちの思考や行動に影響を及ぼして、商品やサービスを購入します。ですので、ビジネスで結果を出す人は、自分自身のことではなく、社会の構造に目を向け、目指したい世界観をオリジナルのストーリーとして言語化しています。

 

 

自分が語る言葉の限界を超える度に、新しい世界が生まれることを知っています。そこにアートが生まれるのだと思います。

 

*

 

仕事は苦しいものです。

 

でもその苦しみとは、思い通りにならないことを嘆くためにあるのではなく、自分のやるべきことが見えたときに
過去の自分の考え方を乗り越えていく必要があるから苦しいのです。

 

経営者は孤独であり、人生の大部分を会社経営に注力するかもしれませんが、経営者ご自身が幸せと成長を感じないで、社員や企業の成長はあり得ません。

 

 

ICHIDO(イチド)は、リーダーの人生観とビジネス観を組織の強みに活かすプロセスを大切にしています。私たちが目指すのは、経営者の心の中に美しいものや大切なものをどんどん増やしていくことです。それが経営者や企業の強みをしっかりと支えていきます。売上や商品を増やすことを最初の目的にしてはいけません。

 

社員のために、そして社会の貢献のために、真の強みづくりを目指す経営者や志ある方々とのご縁を心より願っています。アート思考の更なる先を目指していきましょう。

 

 

参考コラム:
◆名画とサブスクから見る「大切なこと」

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -