コラムコラム

好きなことを仕事にしていますか?

2021.02.25

「行商」という言葉を聞くと、どんなイメージがありますか?それも、りんごの行商だとしたら・・・

 

知人から送られてきた記事ですが、勇気と元気が出るものでしたので、ぜひ読んでみて下さい。

「1日30万円稼ぐ「カリスマリンゴ売り」 妻子6人を行商で養う元ジャズピアニストの半生」

 

 

好きなことを仕事にする。

 

多くの人が望んでいることだと思います。しかし、こんなことを言われたことはありませんか?

 

「好きなことをやるだけでは経済的に難しい。」

「好きなことは趣味の世界。仕事は別物だ。」

「そんな甘いことを言っていてはだめだ。」

「好きでなくても頑張って仕事をしている人がいるのを見習いなさい。」

 

でも、こんなことを言う人は、好きなことを仕事にできていないのですから、「好きなことを仕事にする」ことがどういうことか分からず、臨場感も湧きません。

 

他方、好きなことを仕事にしている人にお会いして、お話を伺うと、環境や制約条件を言い訳にするような言い草は出てきません。

 

  • 議員や子ども食堂を運営している方
  • サラリーマンを辞めて、思考のデザイナーとして起業した方
  • エンジニア、美容院経営、オンラインサロンの運営をしている方
  • 看護師を辞め、訪問介護ステーションを立ち上げた方

 

私が出会ってきた好きなことを仕事にしている人たちに共通しているのは、以下の3つです。

 

  1. やりたい事や好きな事が分かっていて、それ以外のことはなるべくしない。
  2. 自分の目指すべき目的と目標に向けて、何らかの行動をしている。
  3. 仕事を通して提供したい世界観、自分なりの仕事観を持っている。

 

 

コロナ禍でテレワークや副業といった、働き方の選択肢が広がっています。ですから、一つの仕事で好きなことを全て満たすのが無理なら、別の仕事で好きな事ができるようにするのも良いですね。今は、いろんな方法があります。

 

 

  • 社内プロジェクト
  • 週末起業、ミニ起業
  • プロボノ
  • NPO
  • クラウドファンディング
  • 地域活動
  • ボランティア活動

 

 

ただし、「好きなことを仕事にする」ためには、そもそも自分の好きなことを知らなければいけません。なぜそれが好きなのか、という理由も自分の言葉で言語化できると良いでしょう。その好きなものの中に、あなたが大切にしたいミッションや価値観のタネがあると思います。

 

ビジネスマンである前に、一人の人間として、どんな風に生きていきたいのか?

仕事を通して、世の中に何を問いたいのか?何を残したいのか?

 

とても、大切なことですね。好きなもの、好きなことを知り、それらに日々囲まれていれば、気持ちが落ち込んだ時ややる気が出ない時でも、気持ちが前に、上に向いていきます。

 

 

あなたの好きなもの、好きなことは何でしょうか?

 

自分の好きなもの、好きなことを見つけるきっかけを与えてくれるものにはたくさんありますが、「絵」、「音楽」「映画」、「色」、「場所」、「言葉」などは、おすすめです。大切なことは「自分の感情が動くもの」と、触れる機会を増やしておくことです。

 

例えば、「言葉」を使って、一つお題を出しますね。

 

Q. 「あなたが望む自分」を表す漢字を一文字であらわしてみてください。その漢字を選んだ理由と、今の気持ちを言語化してみてください。

 

 

【Thinking Time(10分)】

 

 

参考までに、私の場合、選んだ漢字は・・・

 

「結」です。

その心は、人、自然、感情、可能性、関係性などをつないで結びつける人でありたいと思うからです。時には自分が結び目になれるように。

 

コーチングではクライアントの相談相手、会社では、社員の間に入り、仲介役・相談役になることも多いですが、あまり深入りをしないように気をつけています。

 

結ぶといっても、固く、きつく、結ぶのではなく、手でほどけるくらいの強さで。相互に依存しすぎることなく、でも互いの気配を気にしながら、全体としてつながっているのを何となく感じているくらいがちょうどいいです。制約の中での自由を楽しむことが大切だと思います。

 

 

 

そして、心の平静を取り戻せるあなただけの「好きなこと」「好きなもの」を探してみてください。心がニュートラルでないと、冷静な判断が出来ないですし、自分が好きなものに対する感度も低くなってしまいます。

 

 

「好きなことを仕事にする」をさらに俯瞰してみると、一流の経営者や結果を出しているビジネスマンは、ある意味「無感情」で仕事をしています。

 

「これは自分のやりたい仕事ではない。」とか、「自分にはもっと合う仕事がある。」とか言う人がいます。どこかに、自分の価値を最大限発揮できる、理想の仕事があるはずだ、と。ビジネスで結果を出している人というのは、そういう次元で仕事を見ていません。

 

仕事の先にあるものを探究します。好きでない仕事もします。つまり、「本当に好きなもののために嫌いなことをするのが仕事」ということです。ですので、仕事に優劣を置くこと自体がナンセンスです。

 

 

冒頭の記事にあるリンゴの行商という仕事について、あなたはどんな「心の声」が聞こえましたか?その「心の声」が、あなたの仕事に良くも悪くも影響している固定観念かもしれません。

 

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -