コラムコラム

会社の淀んだ空気を変える良い方法

2022.01.14

山口周さんが、1月10日のツイッターでこんなことを書いていました。

 

 

まさに、言い得て妙です。

 

「メンバーシップ型かジョブ型か」というのは単なる労働形態、雇用契約の問題であって、本質的な問いではありません。労働時間や働き方の質を抜本的に変えないと意味がないんだと思います。

 

 

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何か意見が出ても、すぐに二項対立の構図に持っていこうとするのは、日本人の悪しき習慣ですね。これは家庭と学校での教育の問題でもありますし、メディアや政治の責任でもあります。どちらか一方の案にするのは簡単ですし、分かりやすいですが、それはもう一方の案を完全に排除してしまうことを意味します。

 

VUCAの時代である今日では、何か一つの「答え」のようなものはないんです。ないんですけど、新しい概念、新しい考え方が出ると、そちらの方が良さそうに見えてしまうんでしょうね。

古い考え方が新しいものに駆逐されていくのは、すごく危険なことですし、「あいだ」がないと文化も思想も醸成されていかないと思います。冒頭の山口さんのツイッターの内容についてですが、私も「仕事のプロジェクト化」については2年ほど前から考えていました。

 

組織のマネジメントのスタイルが、
従来通りマニュアルやルールで効率化するか、

あるいは、プロジェクトや仕組みで創発化するか、
その過渡期に来ているんだと思います。

 

前者は、指示、監視、罰則による管理、
後者は、関心、配慮、挑戦による管理です。

 

もちろん、すべての仕事がプロジェクトにはならないですし、する必要もないです。そこも重要です。

 

*

 

コンサル時代は、すべての仕事がプロジェクトでした。

 

提案書には、プロジェクトの目的や範囲、スケジュール、人員、想定成果物などを精緻に描き、クライアントからは
高額なフィーを頂いていました。コンサルの仕事は、言ってみれば有能なマンパワーと時間を貸し出す高給人材派遣業ですが、私がここで言っている仕事のプロジェクト化は会社を活性化させるための「社内での新しい取組み」のことです。新聞に載るような巨大プロジェクトのことではありません。

 

例えば、新商品・新サービスの開発や事務作業の効率化、会社のブランド力向上などです。今までは、そういう仕事を外部のコンサルティング会社やPR会社などに委託していたかもしれませんが、社内でできることは、担当者を決めてどんどん挑戦させてみることです。

 

小さなプロジェクトを社内にたくさん走らせることで、社員とすれば仕事へのマンネリ感も減りますし、さらに重要なことは「失敗体験」をたくさんすることができます。

 

ルーティンワークというのは、慣れと経験で自然と楽にできるものです。「結果が予想できる」ことばかりしていては、惰性で仕事をしていってしまいます。しかも慣れた仕事で失敗するのは嫌なので、余計に新しいことにチャレンジすることが減ります。

 

一方、新しいプロジェクトであれば、すべてが初めてなので、失敗するのが当たり前。失敗する中で、何がうまくいったのか、うまくいかなかったのか、うまく行くにはどうすればよいかを嫌でも考えるようになります。また自分一人で抱え込むこともできないので、周囲のメンバーに相談したり、巻き込んだりするでしょう。プロジェクトが終わった社員はまた別のプロジェクトに呼び込んでもいいでしょうし、一時的に足りなければ、外部から募集したっていいでしょう。

 

そういった動きが社内のあちこちで見られると、「生きている会社」になるんです。

 

 

私は営業でいろんな会社へ行きますが、いざ建物に入って辺りを見渡してみると、空気が動いているか、淀んでいるか、結構分かります。空気が新鮮で動いている会社は、社員の皆さんも明るく、挨拶もしっかりします。一方で、空気が淀んでいる会社の社員は挨拶の声が小さかったり、顔が疲れているものです。

 

あなたの会社の社員の顔つきはいかがですか?声に張りがありますか?あなた自身はいかがですか?もし会社の空気が淀んでいると感じたら、小さなプロジェクトでもいいので立ち上げてみてください。

当然、リーダーであるあなたが一番楽しまなければいけませんよ。

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -