コラムコラム

構造に溺れるか?それとも抗うか?

2021.05.20

関東も梅雨に入ったのではないかと思うほど、スッキリしない天気が続きます。この雨が人の流れを抑え、コロナの動きも抑える恵みの雨になると良いです。

 

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先日、ある大手物流会社の管理者の方とお話する機会がありました。

 

「商品の物量が減っているので、雇う人も減らさなければならない。」
「国が最低の配送運賃を決めるなどして、規制をかけないと業界が潰れてしまう。」

 

そんなことをおっしゃっていました。

 

 

確かにそういう考え方もあるなと聞きながら、私はどこか違和感を覚えました。

 

自社サービスの需要が減っているので、社員を削る。破壊的イノベーションを国の保護で食い止める。そんな考え方の先にある企業の未来とはどんなものなのでしょうか?

 

 

アマゾンを初め、個人向けの通販の物量は増えており、軽トラを運転する個人事業主へ業務を委託するなどの動きが出ています。ITを駆使した物流システムや遠隔地へのドローン配送など、物流というものの定義も一昔前とはガラっと変わりました。

 

まさに、破壊的イノベーションです。そのような劇的な環境変化に変化に耐えうるためには、「何」が必要なのでしょうか?人材や設備といった資産を持たずに、急場をしのぐ経営でしょうか?あなたの業界でもすでに破壊的イノベーションの波が迫ってきているのではないでしょうか?

 

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突然ですが、1950年代、家電の(三種の神器)3Cを知っていますか?

 

そう、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品ですね。

 

 

では、東京五輪後の新三種の神器(新3C)は何でしょう?

カラーテレビ・クーラー・自動車です。

 

 

これら自動車や家電メーカーのように、古い業界体質のままの会社は環境の変化に対応するのに必死です。冷蔵庫や洗濯機も便利なものはたくさんありますが、価格や機能だけでは、すぐに他社に真似られてしまいます。それでも、商品やサービスの価値をガラッと変えて、成長している会社もあるんです。

 

 

たとえば、パンを焼くトースター。バルミューダという会社を知っていますか?

 

この会社のトースターは26,000円します。普通のトースターの10倍しますが、今までに100万台売れました。

 

他のトースターと何が違うかというと、ただパンを焼くのではなく、スチームテクノロジーと温度制御により、
窯から出したばかりの焼きたての味を再現しています。美味しいパンを通して「豊かな朝食の時間」を提供しています。便利さではなく、驚きや感動を消費者に与えています。

 

こんな風に、市場が縮小している業界でも、商品やサービスの意味づけを変えれば、新しい価値をつけることができるのです。

 

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他社に埋もれる前に、すべきことがあります。できることがあります。

 

それは、今いる事業構造(環境)を大きな視点で俯瞰して、自社の経営資源を他社にはマネされにくい構造を一から作っていくこと。そのためには、今まで培ってきた価値観を根底から否定しなければなりません。

 

これが出来ないから、多くの中小企業は小手先の改善に走り、他社の取組みをマネするくらいしかできないのです。

 

結局、成長し続けている会社というのは、今までの固定観念を捨てる覚悟を持ち、世の中に貢献をする使命感ももっています。そして、その考え方をしっかりと言語化できています。そう、商品・サービスはあくまでその目的のための手段にすぎないのです。

 

 

どうせビジネスをするのであれば、そんな会社にしていきませんか?あなた自身にも破壊的イノベーションを起こしましょう!

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -