コラムコラム

雇わない経営と雇われない働き方

2021.08.19

なかなかコロナウイルスの感染拡大が収まりませんね・・・いろいろ行ってみたい場所や会いたい人もいるのですが、現状ではなかなか自由に動き回れません。

 

そんな閉塞感がある昨今は、SNS上での炎上や誹謗中傷なども目立ちます。また、先週には電車内での殺傷事件など、身勝手な行動に走る人もいます。

 

言葉は時に鋭利な包丁のように、誰かを傷つけます。

 

カミュの「ペスト」について、

 

「”ことばは、ウイルスと同じ本質を持っている”と考えて書いたと思う。」

 

と言った人がいました。ことばは伝染するので、使い方には気を付けたいものですね。できれば、包丁ではなく、綿菓子のように優しく扱いたいものです。

 

*

 

コロナウイルスの感染拡大は、社会・経済の至る所に影響しています。

 

多くの会社が厳しい状況にあると思いますが、こういう時こそ新たな変化へのチャンスとも捉えることができます。あなたに質問をしますね。

 

  • 社員であるならば、どんな会社で働き、どんな能力を身につけていきたいでしょうか?
  • これから生き残る会社とはどんな会社でしょうか?

 

あなたがが、経営者であっても一社員であっても、この質問についてはじっくりと考えて、自分なりの答えを作っていく必要があります。ここ1,2年に起きたことを予測できなかったように、10年後のことは誰にも分かりません。

 

若者が減り、高齢化社会がますます進むので、女性や外国人の活用がさらに進むとか、テレワークや副業を認める企業が増え、働き方や人生設計プランが変わるとか、いろいろな見立てはあると思います。

 

その中でも、会社と個人の関係性がどうなっていくのかを、自分の頭で考えていくことでこれからの混迷極まる世界を
賢く生き抜いていけるのではないかと思います。

 

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まず、これから生き残れる会社ですが、本当の意味で社会に役立つ会社です。

 

社会インフラを支えたり、緊急時に市民に求められる会社です。医療、教育、福祉、環境などがこれにあたります。今回のコロナ災害では、いわゆるエッセンシャルワーカーというものの価値が見直されました。普段は陽の目に当たらない職業ですが、いのちや健康に関わる仕事をしている会社というのは社会に必ず求められます。

 

待機児童、貧困格差、ごみ廃棄など社会課題の解決のために、お客を巻き込んでいっしょに取り組んでいくような会社は、必ず必要とされます。

 

 

次に、他社が簡単にまねのできない仕組みや人材がいる会社も強いです。

 

最近新しい整体院を見つけました。そこはいわゆる駅前や繁華街のチェーン店でもなく、住宅街の裏道にひっそりありました。昔ながらのベッドがたくさんあってカーテンで仕切っているようなお店でもありませんでした。完全予約制でベッドは一つ。センスの良い家具や音楽が流れ、女性でも安心して入れる雰囲気でした。

 

腰が痛いと言ったら腰だけを触るのではなく、手足の関節から頭まで身体全体のバランスを診る。対処療法ではなく、身体全体を最適化するという考え方で、事前のカウンセリングにも時間をかけていました。集客方法も口コミサイトや広告にはほとんど手を出さずに、紹介とブログによる情報発信のみ。それでもお客は増えているそうです。

 

 

お客を呼びこむのではなく、お客が来たくなる「理由」をたくさんつくっている会社は、他社には簡単にまねできません。その「理由」をつくるには、社員が主体的に考えて行動しなければなりません。社長や上司から言われたことをこなすだけでは、会社の「顔」が無表情なようなものです。

 

会社としては何かの専門性を持ちつつも、社員一人一人が複数の仕事をできる多能力な人材を抱える会社は、創造性と生産性の観点からも生き残れる可能性が高いでしょう。分業と効率化で生き残れるのは一部のグローバル大企業と業界大手だけになると思います。

 

 

最後に、情報発信をしっかりと行い、社会やお客に開けた会社です。これだけネット上で情報が飛び交い、情報が資産となる時代です。

 

お客に刺さる質の良い情報を継続的に発信し続けること。お客だけでなく、市民や自治体など社会のプレーヤーとも接点を持つ仕組みや仕掛けを持つことです。

 

終身雇用、正社員化など制度で社員や仕事を縛るのではなく、ライフスタイルや成果に応じて、互いの役割と責任を
補完しあっていく時代に入りました。

 

生き残れる会社には「雇わない経営」、生き残れる社員には「雇われない働き方」が求められるのです。

 

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会社の存在意義も社会への貢献度が問われています。

 

「私の会社はこれを持っています。」
「安くて、速くて、快適な商品です。」

 

そんな自分の強みをいくら大げさに言っても、客には見抜かれます。

 

お客は商品やサービスを見ているのではなく、あなたの会社がなぜ存在しているのかを知りたがっているのです。効率だけ求めていてはどこかで頭打ちになります。社長も社員もどこかで働く目的を見失います。

 

「効率」と「非効率」のあいだに、あなたの会社の本当の価値が隠れています。そのことに気づいた会社だけが、10年後に生き残っているでしょう。

 

これから生き残れる会社のキーワードは、

  1. 感動
  2. 参加
  3. 応援
  4. 信頼
  5. 循環

 

の5つです。この点についてはまたの機会に書きたいと思います。

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -