コラムコラム

大人の自由研究のススメ

2021.11.11

先日、大学関係者とお話しする機会を頂きました。

 

生徒数の減少や大学間の競争がある中で、大学にどんな役割が求められるのか考える機会でもありました。産官学連携や大学内ベンチャーなどの動きも増えていますが、地方の大学としては、やはり地域活性化につながる取組みが、生徒、大学、企業、市民にとっても大切なんだと思います。

 

 

そんな中、私がお話ししたのは、「大人の学び場」「社会人教育」の重要性です。

 

若者への教育ももちろん必要ですが、人生100年時代を生きる中で、社会・経済環境が刻々と変化する時に求められる能力や経験は、一つの会社や限られたコミュニティーで生きるだけでは、難しいからです。多様なバックグランドを持った大人が、幅広いテーマについて、対話形式で思考を深めていく、そういう機会がこれからは特に重要になると思います。

 

 

あなたは、会社や友人などのコミュニティー以外に、学びの機会を持っていますか?英会話学校や資格学校もいいですが、もっと思考の自由度の高い学びの場です。

 

*

 

今すぐにそういう機会を持てない人にオススメな方法があります。

 

 

それは、「大人の自由研究」です。

 

小学生の時にやった、あれです。それの大人版ですね。大人になれば知識も増え、お金やその他のリソースもたくさん使えるようになるのに、自分の好きなテーマで自由に研究をする。そういう時間がなかなか取れないものですよね。

 

研究のテーマは何でもいいです。

 

例えば、こんな感じです。

 

  • 最高のカツ丼の作り方
  • 地元のこだわり絶景スポット
  • 「理解し合う」とはどういうことか?
  • 私のSDGs
  • 10年後の会社のカタチ

 

忙しい方や、飽きてしまいそうな人は、60分とか1週間とか制限時間を決めてしまった方がよいでしょう。100%完璧なものをつくるよりも、自由研究をしている時間に感じるものが大切だからです。

 

自由研究で自分の「作品」をつくると、いろんないいことがあります。

 

仕事や商品も与えられることが多い中で、自分が何かを創造(生産)することで、満足感や達成感を味わえます。また、「作品」をつくる過程で、相手に伝えるにはどうしたらよいかをアレコレ考えるので、物事を俯瞰して見たり、論理的に考える訓練にもなります。

 

 

以前、私が参加しているオンラインサロンで似たような企画がありました。

 

その中で、私はこんなことを考えました。まずは、「作品」を通して何を得たいのか?何を実現したいのか?

を考えました。

 

  • 自分の成長の機会にする。
  • メンバーに気づきや変化を与えるきっかけをつくる。
  • ビジネスや人生で役に立つ。

 

などが浮かびました。

 

そして、それぞれの目的を実現するために何があればよいかを考えました。

 

  • 今までやったことがないことにチャレンジする。
  • サロンで学んだエッセンスを盛り込む。
  • 他のメンバーから得たことを超える。
  • サロンの価値を上げる。

 

などです。

 

それから「作品」に盛り込む要素を考えました。

 

  • おもしろさ
  • 驚きや感動
  • 挑戦や勇気
  • ユーモアやバカらしさ

 

などです。

 

それから、「作品」の表現方法を考えました。

 

どの方法だと見えない価値の輪郭が浮かび、考えることの面白さや思考の可能性を伝えることができるだろうかと。

 

 

今回考えた一連の行動は、まさにビジネスや人生でもでも使えることです。

 

目的を決め、コンセプトを決め、コンテンツを決める。

 

それは、物事のWhy、what、howを限られた時間、限られたリソースの中で決めていくということです。

 

 

出来上がった作品のクオリティーももちろん大事ですが、どんな姿勢で作品をつくったのかも同じくらい価値のあることだと思います。

 

 

コロナ禍で不満や不安が蔓延し、いらない情報だけが膨張しています。そんな中、限られた組織やコミュニティーの中だけで生きていくのは、「教養」や「知性」の衰退に関わると思います。そういう意味では、ジャングルのような環境である「大人の学び場」、問いとフィードバックを増やす機会は、とっても貴重なものになるはずです。

 

 

学ぶことは、自分や大切な人に手紙を送るようなものだと思います。いくつになっても、学ぶことは尽きません。

 

 

最後に、私の好きな曲をシェアします。
秋の夜長にお聞きください。

 

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -