コラム
2021.11.04
衆議院選挙が終わりましたが、どんな感想を持ちましたか?
結果だけ見れば、自民の圧勝でしたが、与野党ともにベテラン議員が敗れるなど、局所局所では、波乱がありました。しかし、旋風を起こすまでには行きませんでした。
大きな改革のうねりになるには、何が必要なんでしょうか?
など、いろいろな見方があると思います。
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今回の選挙を見ていて、会社経営と同じだと感じることが多々あります。
会社の目的は、シンプルに言えば、「価値」をお客に提供し続けることです。そして、会社を維持・成長させるにためには「社員」と「仕組み」が必要になります。
そこで、経営者(リーダー)が陥りやすい罠があります。
業績に変化が生じると、社員を増やしたり、減らしたりする。または、教育研修や営業ツールなどの管理体制を強化したりして、仕組みをいじることに躍起になります。
つまり、会社の「内側」を見ています。
社員というのは、経営者(リーダー)が日々やっていることと、見ている方向を見ています。経営者が会社の内側を見ていれば、社員も会社の内側に意識が向きます。そういう会社というのは、お客から見るとどんな風に見えるのでしょうか?商品やサービスを買っても、会社の想いや愛は感じらないでしょうし、会社とお客との関係も冷めたものだと思います。
経営者(リーダ-)は、会社の目的実現のために、「価値」を最大限高めなければいけません。「価値」は会社とお客との関係から生まれてきます。
今回の選挙でも、結局、自民党が数にモノを言わせて勝ちました。立憲民主党を軸とした野党連合も、自民か非自民かを選択させる手段としては、それなりの効果があったかもしれません。
しかし、国民が望んでいたのは、各党がどんな政策を実行し、国民の生活を豊かにしていくか、という独自の「価値」でした。短期決戦では自民党に勝てない苦肉の策として、野党共闘を選んだかもしれませんが、それが結果として各党の「価値」を見えづらくさせてしまったように思います。
今回の選挙で負けることを覚悟してでも、次回の選挙で勝つために、それぞれの党が国民に向けて「価値」を発信し続ける構えが必要だったのかもしれません。野党の党首たちが、自民党の批判ばかりしているようでは、所属する議員たちも国民に向けたメッセージを打ち出すのは難しいと思います。
欧米では、小さいながらも独自の政策を打ち出して、支持を得ている政党もあります。例えば、中小企業の活性化や環境・教育に特化した政党が出来れば結構支持が集まるのではないでしょうか?地道ではありますが、国民(会社で言えば、顧客)に提供する価値を磨いていくこと、経営者はそのことをまずは考えていく必要がある。
そんなことを考えた今回の選挙でした。