コラム
2021.05.13
先日、国営武蔵丘陵森林公園へ行ってきました。全国で初の国営公園だそうです。
東京ドーム65個分の敷地の中を自転車でサイクリングしたりできます。その他には、日本一大きなエアートランポリンや、家族で体を思いっきり動かして遊べる遊具がたくさんあります。小さい頃は、親に連れられて行った記憶があります。当時は二人乗りのタンデム自転車がありましたが、今は安全上の問題でやめたそうです。
自転車に乗ること自体久しぶりで、最初の内は転ぶんじゃいか心配でした。でも次第に慣れると、自然の中を走るのは本当に気持ちよかったです。どこか動物のような感覚を取り戻しました。
自転車をこいで、緑の中、風を感じる。途中、好きなところで降りて景色を楽しむ。頭ではなく身体が喜ぶ感覚がありました。そういうことを大事にしていきたいなと思いました。椅子に座ってパソコンやスマホを触る、車や電車に乗る、のとは全く違う身体の使い方です。
自転車に乗っていて、この楽しい感覚を会社経営に活かせないか考えてみました。出てきたキーワードは、
などです。
今までの会社経営は、大きな車に皆を乗せて、スピードを競ってゴールを目指すことを目的にしていました。
「たくさん、はやく、すぐに」
を具現化するものものでした。
これからもその方向性を追求する会社はあるでしょう。でも、それはほんの一握り。規模をレバレッジする会社を目指すならそれもアリだと思います。
デザインや乗り心地も追究してきましたが、他社や顧客を意識する余り、結果として、「寄せていく」ことにつながっていなっていなかったでしょうか?あなたの会社が提供するサービスが、身体や心が自然と喜ぶものだったでしょうか?頭でこねくり回してばかりいると、商品やサービスがどんどん小さなものになっていきます。
座り心地が良い自転車、デザインが素晴らしい自転車だけがあっても、愉しむ景色や語らう仲間がいなければ、驚きや喜びは半減します。
自転車だけがサービスではないのです。その場所での経験がサービスの全体であって、自転車はそのサービスの一部、手段でしかありません。
これからの会社経営は、みんなで自転車を漕いでいくようなスタイルなのかもしれません。最初から経済合理性を求めるのではなく、みんなで価値を足していく。
いろんな形の自転車に乗りながら(歩く人がいてもいい)、景色を楽しむような会社です。周りの人とチャットしたり、風や匂いを感じながら、ゆったりと、軽やかに。
私が乗った自転車はサドルが硬く、お尻が痛かったので、降りる度に「尻が痛いんだよね・・・」と言いながら乗っていました。でも、また渋々乗って、サイクリングを愉しみました。
自転車だとアクセルやブレーキの制御が足に直に伝わるのがいいです。身体とサービスとの一体感です。不便、不格好なものには、どこか憎めなさがあり、愛着が湧くこともあります。そこに、これからの会社経営のヒントがあるように思います。
自社のサービスの不便や不格好を矯正するのではなく、未完成のままお客に差し出して、新しい意味を見出してもらうスタイルです。
サイクリングから多くを学んだ一日でした。