コラム
2020.11.12
変化とスピードが速く、不確実性が高い現在をVUCA時代と呼ぶようです。
複雑かつあいまいな時代。優れたビジネスモデルを実現できたとしても、持続的に優位性を保ち続けることは困難、ということでしょうか?
確かにそういう側面もあります。しかし、安定して、シンプルなビジネス環境というものがそもそもあったのでしょうか?
重工業や電器産業といった製造業が世界の主流であった時代は、需要予測の精度を高め、サプライチェーンを強化し、価格と販売量をコントロールすることで大企業もそれにぶらさがる中小企業もある意味では安定して、シンプルなビジネスを実現できたと言えるかもしれません。
その状況は一変しました。GAFAを筆頭とした情報産業はVUCAの代名詞だと言えますが、だからといってそれを自分のビジネスで結果が出ないことの口実にするのはカッコ悪くないでしょうか?
経営者であろうと、社員であろうと、今の時代に求められるのは間違いなく、「リーダーシップマインド」です。
自分で問いを立て、試行錯誤をしながら、解を導いていく。
目的や使命感を持って、自分のためだけでなく、周囲に働きかけていく。
そんな力が必要になります。
リーダーシップとは何も経営者や経営幹部だけが持つものではありません。ビジネス環境の変化がスピーディーかつ複雑になっている現代では、社長1人で会社を舵取りすることは不可能だからです。
会社と社員の関係も「主従」から「協働」へとシフトしています。会社が社員のために仕事を分け与える時代から、社員が持ち帰る仕事を会社がプロジェクト化する時代になっているのです。仕事とは信頼の結晶化したものとも言えます。レベルの違いはあるにせよ、経営者だけでなく、社員自身も個人の成長と組織の成長を意識しながら働く時代に入っているのです。
コロナ禍であっても、社会課題の解消に取り組むリーダーマインドを持った人が多い会社は成長しています。
ITとインターネットを駆使した海外の新興企業が、日本の産業を飲み込もうという勢いで成長しています。また、人口減少と少子高齢化が進み、量的な労働力の低下は避けられない状況です。多くの企業が、労働生産性や付加価値を高めようと働き方改革や新サービスを打ち出していますが、決して十分ではありません。
変化の激しい競争にさらされている中で、国や企業が長期的に社員を守るような構造がもはや成立しない時代になってしまいました。日本の強みとされてきた終身雇用制度や年功序列制度といったシステムも、企業・社員とも敢えて求めなくなりました。つまり企業と社員の関係性が、「主従」から「共創」に変わってきたのです。
ビジネスの視点から言えば、マスマーケティングの時代は終わり、「切り売り」の時代になりました。「持たない社会」とも言えますし、大きな物語の時代から小さな物語の時代へ移行したとも言えます。ですが、多くの企業は次のような問題を抱え、経営者やリーダーの成長を阻害しています。
これは、裏を返せば経営者や企業でリーダーを目指す人が解決していかなければいけないことになります。
これらの問題に対処するには、今までの固定観念を捨てる覚悟を持ち、自我を捨てて、世の中に貢献する使命感が必要になります。そして、その考え方をしっかりと言語化し、伝えていかなければなりません。商品・サービスというのはあくまでその目的のための手段に過ぎないのです。
どの時代にも革命家はいました。チェ・ゲバラ、ナポレオン、ヒトラー、毛沢東、織田信長、西郷隆盛、坂本龍馬・・・エジソンやミケランジェロを挙げる人もいるかもしれませんね。個人的には、さかなクン、イチロー、将棋の羽生さんは革命家だと思います。
人によって、「革命」の捉え方と「革命」の起こし方もいろいろでしょう。もし、あなたが革命を起こすとしたら、それはどんなものでしょう?リーダーシップマインドを持って、矛盾に満ちた世の中をどんな風に変えていきたいでしょうか?