コラム
2020.07.21
明治維新、敗戦、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災・・・ 今までにも時代が動く、人々のライフスタイルが大きく変わる時期がありました。東日本大震災によって行きすぎたグローバル資本主義の流れが少し変わったように思いましたが、大きな流れは結局変わりませんでした。
中国や東南アジアなどの新興国の人と資源を取り込むことができたので、拡大成長路線を選ぶ企業が多かったわけです。大企業は、そういう方針で行くのも理解できます。むしろ巨大な豪華客船のような組織を動かすには、そうせざるを得ないのかもしれません。新しいプラットフォームを作り、新しいブームをつくり、新しいお金の流れをつくるというビジネスモデル。
一方で、今回のコロナウイルス禍で大打撃を受けている中小企業ですが、チャンスの芽はあります。
人間にとって最も重要な自由の一つである「移動」が制限されたことで、あなたのビジネスのあり方がどんな風に変わりましたか?
そんな問いを立てる方も多いのではないでしょうか?
もはや既存のビジネスモデル、経営スタイルでは、社員を雇用し、収益を上げることが難しいのです。
厳しい言い方になりますが、コロナウイルスにより、あなたのビジネスの構造的な限界が見えてきたのではないでしょうか?
これからは、会社が大きく2つのグループに別れていきます。
従来通りのスタイルに固執する会社と、新しいスタイルの経営を追求する会社へ。
会社の目的。
今ある商品やサービスを売るか、
社会課題の解決に向けた世界観を売るか。
前者は、過去と現在の延長にある存在。
後者は、目指す未来から逆算した存在。
お金の稼ぎ方。
売上と利益を最大化するか、
プレーヤーの利益を最大化するか。
前者は権力構造上の弱者が余計なコストを負担し、
後者は、社会全体で適正なコストを負担する。
仕事の流れ。
ピラミッド型、下請け構造か、
フラット型、リゾーム構造か。
前者は、価値が上から下へ、細分化されていく仕事。
後者は、価値が無から有へ、増殖されていく仕事。
雇用形態。
経営者と社員の関係が主従関係の組織か、
経営者と社員の関係が共創関係の組織か。
前者は、雇う経営。
後者は、参加する経営。
マネジメント。
マニュアルやルールで効率化するか、
プロジェクトや仕組みで創発化するか。
前者は、指示、監視、罰則による管理。
後者は、関心、配慮、挑戦による管理。
リスクへの対応。
大量に人材や在庫を抱えるか、
必要な資源を共有できる仕組みをもつか。
前者はリスクを回避する実存的経営。
後者はリスクを許容した構造的経営。
部分最適と、全体最適のどちらを志向するかではなく。両方のいいとこ取りをするアイデアを考えていきましょう。
そして、ビジネス環境が更地になった今は、スタートラインが誰にとっても同じです。大企業、中小企業、個人事業関係なく、新しい概念を創造する会社が一歩先に進めます。
逆に、今までの概念に固執する企業は見向きもされなくなるでしょう。これは個人についても同じ事が言えます。この時期だからこそ、生まれ変わるチャンスでもあります。そのチャンスをつかむ覚悟はありますか?