コラムコラム

自分軸のアップデート

2022.06.14

関東では梅雨に入りました。

 

曇りや雨の日が多いと何となく気持ちがモヤモヤしてしまいそうですが、体調は大丈夫ですか?あなたは、ちょっと気分が乗らないなという時は、どんな風に気分転換していますか?散歩や読書、映画もいいですね。私は週1~2回のサウナで汗をかいています。

 

また、最近になって漫画も読むようになりました。今読んでいるのは、手塚治虫の「ブッダ」です。「鉄腕アトム」のSF作品から「奇子」のような社会派作品まで、本当に漫画の神様の世界観は無限大ですね。その着想の泉はどこから溢れてくるのでしょうか?

 

 

*

 

とにかく現代人は忙しいです。

 

大人から子供まで、やることが多すぎます。正確には、やらなくてもいいこともやらされる環境にいると言った方がいいでしょう。「商品・ルール・お金づくり」が目的である資本主義社会はどこまで行っても、効率や合理性を求める方向へ行きます。その風潮に疑問を感じてきた人たちが少しずつ増え、「関係性・時間・価値観づくり」を目的とする働き方や生き方の潮流も見えています。

 

  • 再配分
  • ほどほど
  • 好き
  • 手間暇
  • 偶発性
  • 自立心

 

そんなキーワードを持った人たちに共通するものはなんだと思いますか?

 

 

それは「自分軸」です。

 

その人自身の「真実」や「正義」と言い換えてもよいかもしれません。

 

 

他人の評価や世間の常識に振り回されるのではなく、自分自身の頭で考え、行動し、変化していく習慣によって
自分軸は太くなったり分岐していったりします。

 

周りの環境がめまぐるしく変わっているのに、過去の考えに固執し、自分が正しいと思っている経営者やビジネスマンは、自分軸がアップデートされていません。あなたの周りにもそういう方はいませんか?

 

 

自分軸を鍛えるには、まずは人と「違うもの」をたくさん経験することです。

 

人が関心を持たないことに興味を持ったり、
人が経験したがらないようなことにチャレンジしたり、
人がムダだと思うようなことに時間をかけてみたり。

 

 

小さい頃から人と同じようなことをしていると、それは誰でも知っていて、誰でもやっていることなので、他人との違いを認識するのが難しくなってしまいます。そうするとちょっとした差であっても、妙に気になったり、自己肯定感が下がったりすることがあります。人との違いを解像度を上げて認識できる状態にしておくことがまずは大切になります。

 

 

その上で、人と「同じもの」を見つける能力を磨いていきましょう。

 

ネットでの炎上やヘイトスピーチは、人との違いに目を背ける動きですが、人との違いの中に共通点を見つけていく力が、これからの時代はますます必要になると思います。

 

一見関係性のないもの同士に、新たな関係性を見出す。

 

それがビジネスにも人生にも活かされる時代なのだと思います。そして、違いの中に同じものを見つける力を備えた人は、間違いなく自分軸も太くしなやかな人でしょう。

 

 

自分軸をアップデート出来ている人の特徴として、いくつか挙げてみると、

 

 

  • 新しい選択肢・判断基準・行動力が身についています。
  • 自分の価値観に好影響を与える人脈をつくる努力をしています。
  • アウトプットの機会と回数を増やす習慣を持っています。
  • 新入社員なら課長、課長なら部長、部長なら社長、社長なら社会という風に自分の役割より上位の視点で物事を俯瞰しています。

 

あなたはどうですか?日々、自分軸をアップデート出来ていますか?

 

 

私もそうですが、会社へ行けば毎日やることはだいたい決まっています。たまにハプニングも起きますが、それも経験を積めば何となく対応できてしまうでしょう。それでは自分軸をアップデートするのは難しいでしょう。ではどうするか?

 

*

 

いろんな方法がありますが、今日は一つだけご紹介します。

 

それは、「自分の年表をつくる」ことです。

 

年表をつくると言っても、履歴書をつくるのではなく、誕生年から現在まで、自分が「事件」だと思った出来事と、
その年の世界での出来事をまぜこぜにして年表を作っていきます。

 

ポイントは、その出来事に対する感情の変化や、自分なりの解釈を差し込んでいくことです。そうして、自分の年表をいくつかのテーマに分類していきます。

 

 

そうして新たな視点や解釈を自分と世界の歴史に入れていくことで、自分が目指したい価値観や、世界と自分との距離感がぼんやり見えてくるでしょう。そこにあなたの自分軸の芽が眠っていると思います。

 

 

世の中で何が起こったのかを見る上で、とても参考になるのが、編集工学研究所編の「情報の歴史21: 象形文字から仮想現実まで」です。紀元前7000万年前から2020年までの、世界中の社会、経済、宗教、政治、科学技術、芸術、文学、書籍を縦横無尽に横断する世界同時年表です。

 

 

例えばですが、私の誕生年である1973年は、

 

「逆回転のはじまり」だった一年でした。第一次オイルショックが印象的ですが、その発端は中東戦争でした。泥沼のベトナム戦争で疲弊した米国がチリの軍事クーデターに加担して、米国依存の世界構造を死守したのは、今と同じです。批林批孔運動や、金大中事件など、アジアでも政治思想の地殻変動が起こった年でした。スミスの「水俣」、フリードランダーの社会的景観、「モモ」、ヴェラスの生涯学習など、それまで突き進んできた工業化と物質的幸福観へのアンチテーゼが世界中で表出した年だったのは、決して偶然ではないと感じています。ローレンツの「人間の八つの大罪」の8番目は核兵器です。2022年の現在を予言しているかのようですね。

 

 

そんな年に生まれた私だということです。

 

 

こんな風に自分が生きてきた時間を自分の言葉で再定義するところから、自分軸をアップデートするきっかけが生まれると思います。

 

ぜひ、あなたもやってみてください。すぐにググるのではなく、自分の言葉で自分というものをを再定義していきましょう。

 

興味はあるけど、一人では難しそうと思う方は、個別に相談してください。いっしょに年表をつくる作業も相当面白いですよ。

 

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奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -