コラムコラム

ichido

選書コーチングをはじめました

2025.06.01

みなさん、こんにちは。コーチングと選書をセットにしたサービスを始めました。「誰かに選んでもらう」という選択が、あなたの編集可能性を広げると願って。

 

■想像力や対話力が奪われる社会を生きている

現在は、答えのない時代です。
それでも答えを求めようとする人々が多いのは何故でしょうか?

 

社会の様々な場面で、私たちはたくさんの選択肢の中から「選択」を迫られています。

 

しかし、何が正しくて何が自分の心に豊かさをもたらしてくれるのか?そのことに誰も納得のいく「答え」を見いだせないでいるのではないでしょうか?それが社会に「閉塞感」と「不安感」が蔓延する理由でしょう。つまり、私たちは「誰かから答えをもらう」ことを前提とした生活から脱する勇気を持たねばなりません。

 

だから「自分軸」なんです。自分軸さえ構築すれば、その軸を中心とした周囲の世界から様々なヒントや声を拾うことが可能となります。

 

そして、決して自分軸に寄りかかり続けることなく、奢ることなく、常に自分軸のアップデートを試みる。そのようにして自分軸がより強靱なものになった時、初めて自分の視界に進むべき針路が見えてきます。想像力や対話力を維持するには、やわらかくて強い自分軸を自覚することが大切になってきます。

 

■なぜ今「本」なのか?

私は、大学卒業後、マーケティングや外資系コンサルティング会社を経て、現在は、古紙をリサイクルする会社を経営しています。2024年に創業100年を迎えました。並行して、キャリアや経営に関するコーチングをしたり、地域に本を起点にした対話の場(ブックカフェ)をつくることを計画中です。

 

当社には、いろいろな古紙が持ち込まれますが、本類は推定で 1ヵ月に600,000冊、1日に20,000冊が集まります(※1冊200gで換算)。年々その量は減ってきていますが、それでも、たくさんの本が捨てられています。みなさんは、どのくらいの量か想像できますか?

 

これらの本たちは、「読む」という使命を終え、製紙工場で再生紙として生まれ変わる運命にあります。ただ、本というのは、誰かの人生の大切な記録であり、記憶でもあります。ですので、集めた本の一部は、業者に買い取ってもらい、市場に再度循環させる取り組みもしています。古本のクリーニングなどは障がい者の型を雇用して、作業を一部サポートしていただいています。

 

行き過ぎた金融資本主義社会では、とにかく「その役割を遅らせる」ことが大切です。本も仕事も市場のど真ん中ではなく、周縁や深部で循環させる仕組みづくりがポイントなのかもしれません。

 

そして、ネット社会が進んだことで、AIやSNSの情報に振り回されたり、自分のアタマで考えたり書いたりする機会が確実に減っています。買い物から仕事まで分業・他人任せがどんどん進み、会社でも社会でも想像力や対話力が低下していると感じませんか?

 

そんな時代だからこそ、歴史から哲学、文学から詩まで、多様な世界観に触れることができる本の魅力や可能性をひしひしと感じています。

 

■「本」から離れていないか?

書物のことを「本」と言いますが、そもそも草木の根元を指すはずの「本」という字がなぜ書物を指すようになったのでしょうか?諸説あると思いますが、『暮らしのことば新語源辞典』 山口佳紀編/講談社によると次のようにあります。

 

  • 書籍・書物のこと。「本」は、漢語では「草木の根、根に近い部分」をさすが、日本では「物事の根本・基本」という意味から、「規範や本来のもの」をさすようになった。そこから、「書写されるもとの書物」を「本」というようになり、転じて、書物一般を指すようになった。平安中期の『枕草子』の「物語・集など書き写すに、本に墨つけぬ」の例は、書写のもとになる書物の意味である。 『暮らしのことば新語源辞典』 山口佳紀編/講談社

 

本を読まない人が増えていますが、「本」という文字がついた言葉には、わたしたちが、置いてきぼりにした大切な概念がたくさんあります。例えば、手本、本質、本気、本物、本音、そして日本…
わたしたちは「本」から遠ざかっていないでしょうか?

 

Amazonに代表されるように、ネット通販、ネット書籍が広がり、街にあった中小の本屋がものすごい勢いでなくなっています。本屋がなくなることは、社会の文化資本だけでなく、ヒトの教養や知性の摩耗にもつながります。紙の本は、その流れを遅くし、分断された自分と世界をとらえなおし、つなぎなおす、古くて新しいメディアなんだと思います。

 

■どんな本を選ぶのか?

コーチングセッションのテーマに関連する本や、お話いただいた中で印象的だった言葉やイメージをもとにお選びします。

 

相談者の悩みに直接こたえるような応急処置的な本というよりは、一見関係のないようで、でもよくよく考えてみたら、時間を置いてみたら、何かの拍子に「!」と新たな発見が得られるような本を心がけています。

 

目の前の悩みに対角線を引くような一冊、即応・対応ではなく、応答・問答するような一冊です。本を読んだら、その感想などもシェアして頂くと、よりコーチングの効果が高まるでしょう。

 

本に関しては、「ジャンル」「ボリューム」「どんなシーン・気分で読みたいか」といったリクエストにも応じますので、ご相談ください。でも、あえて「普段は読まない本」や「苦手意識をもっている本」のほうが、思いがけない言葉や深い気づきが得られるとは思います。

 

本を選ぶ際は、イシス編集学校で学んだ型も使っています。編集とは、世の中にあるあらゆる情報に新たな意味や価値を見出す方法のこと。コップも音楽もAIも人生もすべて情報ととらえます。「不足」や「弱さ」から、新たな編集可能性を見出していくための「方法」と考えてもらっても構いません。

 

現代社会は、多様な価値観を受け入れることが、学校でも、会社でも、社会でも難しくなっていますが、そんな情報過多で、カオスな時代にこそ、物事のコンテクストを柔軟に変え、その意味付けを変えていく編集力が求められるでしょう。

 

■自分と世界の「あいだ」を知るコーチング

ネット社会、AI時代になって生活が豊かになっているはずなのに、いつも何かに追われ、誰かに監視されている感覚がありませんか?

 

知っていること、知っている人はたくさんあるのに、「自分の近くにある」実感がなぜか薄い。戦争も環境問題もどこか他人事。目の前のことで精いっぱいで、なかなか目標やイメージが広がらない。すぐに答えを求め、誰かのコピペ、後追いになる。結果、自分事にならないし、責任転嫁もしやすくなる。そんな悪循環を逆転させるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

キーワードは、「間」「あいだ」です。

 

「間」は古来から日本人が大切にしてきた概念です。床の間、お茶の間、手間ひま。時間、空間、仲間… 今の日本人は、「間」がないか、「間」を詰めすぎているように思います。

 

会社と社会のあいだ
強さと弱さのあいだ
お金と幸せのあいだ
心と身体のあいだ
私とあなたのあいだ…

 

その「あいだ」にこそ、人間が人間らしく生きる「さま」が漂っています。ライフコーチングを通して、いっしょにその「さま」をじっくりと探していきませんか?人間という無限の編集可能性を信じて。

 

 

一般的なコーチングは、問いとフィードバックにより、相談者の内面にある感情と行動に働きかけるものですが、それだけでは十分と言えません。

 

相談者の悩みは、家庭、お金、仕事から人生まで多岐にわたり、相互に関係していますので、コーチングのアプローチも一人ひとり変わっていくのは当然のことだからです。時には行動を加速させるための具体的な方法をお伝えしています。本の紹介やプレゼン資料のアドバイス、お題の出題などを通じて、相談者の「内」と「外」を刺激していきます。

 

私の特徴としては、多種多様な企業で働いた経験があることや、編集工学や哲学的思考を生かしたユニークな物事の見方、さらには、現在3代目として中小企業を経営しており、経営者の孤独や社員の悩みの両面を理解できること、ビジネスの実情を理解した本音の話ができることです。コーチ、コンサルタント、カウンセラー、経営者、社員といくつもの視点を持って、相談者の目標実現をサポートできると信じています。

 

これまでセッションを受けていただいた方のご感想は、よろしければこちらからご覧ください。

 

◆私の詳しいプロフィールは、こちらからご覧ください。

 

 

■コーチングセッションの流れ

まずは相談者のお話を丁寧に聴いていきます。相談者の悩みや状況によって、コーチングの内容も適宜カスタマイズしていきますが、コーチングの基本的な目的は以下の4つです。実際は、こんなにカッチリとした流れではなく、相談者のお話を聴きながら、いろんな方向に流れていきます。

 

1.目標設定と現状把握

実現したいことの設定や、現在抱えている悩みをヒアリングしていきます。人生全体のバランスやセルフイメージもチェックし、ご自身が大切にしている価値観なども伺います。

 

2.課題の言語化と構造化

ご自身が抱えている現状と望む状態とのギャップをコーチとの対話を通して言葉にしていきます。ここで大切な事は、拙速に答えを出そうとせず、その時の気持ちや感情とじっくり向き合うことです。

 

3.解決方法の検討

お聞きした悩みについて、どんなアプローチで取り組んでいくかをいっしょに考えていきます。ここでは、ロジカルで直線的なアイデアだけでなく、大胆で遊び心があるアナロジカルなアイデアがポイントとなります。

 

4.振り返りと習慣化

最後にセッションを振ります。ご自身の思考の流れをリバースエンジニアリングする大切な時間です。継続セッションの場合は、相談者の負担のならない範囲でワークやお題を出します。

 

■料金

①しののめコース
8,800円(税込)

・気軽に相談したい方
・オンライン
・60分のコーチング
・選書した本1冊のリスト

 

②たそがれコース
13,200円(税込)

・じっくりとお話をしたい方
・オンライン
・90分のコーチング
・選書した本3冊のリスト

 

※東京、所沢近郊であれば対面セッションも可能です。
※セッション時間などは、ご相談ください。

 

 

■ご相談・お申込み方法

こちらのお問い合わせフォームからお申込みください。

「お問い合わせ内容」に「選書コーチングを希望します」とご記入ください。質問などあれば、お気軽にお問い合わせください。

 

一冊の本が世界の見え方を変えることもあります。そんな偶然と必然のあいだを楽しんでみませんか?

 

奥富 宏幸
\この記事を書いた人/ リーダーシップ&キャリアデザイナー

奥富 宏幸 - Hiroyuki Okutomi -